猫
長男が通う高校は、野球部・サッカー部が活動するグラウンドが校舎から少し離れた場所にある。
そこには、クラブハウスがあり、いつからか猫が住み着いた。
長男が入部した去年の今頃はもういたはずだ。
その頃の長男は部活に思い悩んだつらい時期であり、練習が終わると部室の最後の施錠を暗黙の了解でやるようになっていて、ひとり残った部室でグローブなどの手入れをしていると、「ニャー」と鳴きながら息子のひざに乗るようになついていたそうだ。
ひとり残って思い悩む人間と、一匹で野良生活をする猫がお互い引かれるにはそう時間はかからなかったようだ。
毎晩10時を超える帰宅に、
「今日も最後か}
「うん」
「大丈夫か}
「猫と遊んどった」
という日々があの頃は続いていた。
息子は家から猫のエサになるようなものを持って学校へ行くようになり、また私たち夫婦も猫のエサを買って持たせてやるようになっていった。野球部、サッカー部の中にも猫をかわいがる人間も現れ、与えられるエサで順調に育っていった。
息子と猫の友情は続き、猫も息子が部活に来るのを待ちわびるようになった。それが…
3月31日のこと。女房が、「今日、部室の猫を病院へ連れて行った」と。
聞くところによると、その日息子が猫を見ると、顔がはれ上がり、口・鼻から血を流して弱っていたそうだ。
息子は、仲のいいサッカー部の友達に、「俺が面倒をみる」と言い、女房に迎えを頼んだ。
家に連れてきたが、右目損傷・口の回り裂傷・口内損傷・歯折損というひどい状態だったので動物病院へ直行した。
我が家の犬がかかりつけにしている病院なので、手続きをして診てもらったが、院長先生は、
「かなりひどいので一晩預かります」と。
次の日、女房が電話で様子を聞くと、
「まだ点滴が必要なのでもう1日預かります。土曜日にきてください」
ということで、土曜日は私も一緒に行って、なんとか家に帰れそうだったのでいったん我が家に引き取った。
しかし、目・口の状況は全く変わっていず、飲めない・食えないので、このままでは脱水になるのは明白だったので、すぐに動物病院へ引き返し、「もう1晩お願いします」と再度入院になった。
そして、日曜日。
動物病院へ行き、先生に話しを聞くと、
「最低限、口が治り食べられるようにならないと自宅では難しいです」とのこと。
痛みが無くなれば食べられるようになり体力も付いてくるが、それまでは入院が必要となった。
ここで述べておくが、病院が営利のため入院を増やしているわけではない。日曜日に先生と話したとき、私は「命を救ってやりたいが、飼い猫ではないため、経済とのバランスを考えて治療をお願いしたい」と言ったのだが、先生は「治療費の上限を定めてその中でできる治療をしましょう」と言ってくださり、とりあえず1週間、1万円で入院させてもらえるようになった。それまでの金~日の治療費も、点滴・検査は無料、1番2千円の入院費のみである。よその病院なら3倍~もっと取られるのでは、と思う。
長期の治療も覚悟か、と考えていた先ほど(月曜日午前)、女房が病院へ電話をすると、院長から、
「折り入って話しをしたいことがあるので、時間を指定してくれれば空けて待っています」
と言われて、私のところへ電話がきた。
6時半に私と女房で話しを聞きにいく。
覚悟して行かなければならない…





最近のコメント